Concept

なぜ器の仕事をしているのか、と聞かれることがあります。

あれこれ理由を考えていくと、ただ、⼿に持つと⼼が和み、⾷事が楽しくなる器が好きだからということに集約されるような気がします。

年齢を重ねていくうちに、⽇々を慈しみ、⾷事を⼤切に、⼼と体を健やかに保つことが、まわりとの関係をよいものとし、⼈⽣を豊かにするということを感じます。

命の糧となるごはんを盛る、器。

“⼟”という共通の要素から⽣まれた⾷と器に、何かの結びつきを感じます。

世界を⾒渡しても、⽇本ほど多種多様な器が存在する国はありません。
いろいろな⾊や形の器がテーブルにならんでいる様はまさに調和であり、和を敬う⽇本ならではです。

⽇本の器がこれからも続いていくように、産地を⽀援したい。
そこから⽣まれる器をより多くの⽅に届け、暮らしに、そして、⼈⽣に寄り添うものにしてほしいという願いで仕事をしています。

さらに、ものを消費する時代から、物事を体験する時代に移り、その次は、⼼的ケアの時代といわれています。
“器ができること”を、⻄洋・東洋医学と⽇本⽂化から導き出して、わかりやすく伝えていければと思います。

和の⾊ ⽇笠真理