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vol.2 ひとつの器が⼈⽣を決めることがある。
いまの仕事をするきっかけとなった器があります。
尾形アツシさんの粉引の器。
いまの仕事に⾄るまで、かなり遠回りをしてきました。
⼤学時代は医学を学び、社会⼈は⾷品メーカーで企画開発、
その後、陶芸学校に⼊って、作家になる才がないと⾃覚しはじめた頃。
学校の廊下の⽚隅に、いろいろなチラシが置かれている棚があり、そこに置いてあった⼀枚の DM。
それは、卒業⽣だった尾形さんの個展の DM で、いんげんのサラダがこの器に盛られた写真がありました。
暮らしの声が聞こえてくるような、やさしい気持ちになれる、そんな写真でした。
その DM を⼿に⼯房を訪ね、「器の楽しさや使い⽅を伝える仕事がしたい」と、気持ちだけで熱く語る私に、「⼤丈夫だから」と背中を押してくれました。
ひとは誰でも転機となる出会いがあると思います。
たまたま⼿にとった本、偶然⾒た景⾊・・・
⼩さな偶然の重なりが、その⼈の⼈⽣をつくっていく−